| "新緑の季節、水草のある水辺は大変気持ちがいい(写真1)。水草(水生植物)は、美しい景観をつくり、人々の心を和ませるだけでなく、水辺の生態系の基盤となっている。また、水草は水を浄化する力があり、最近はその機能に着目した研究・調査も多くなってきた。水草は形態から主に3つのグループに分けることができる。陸側からみると、通常の草本に近いヨシやマコモなどの抽水植物、葉が水面に浮いているスイレンやハスなどの浮葉植物、そして水中に没し、ゆらゆらとしているエビモ、クロモなどの沈水植物である(図1)。実際の植物群落は必ずしもこのような配列ではなく、陸側が砂浜で水中が沈水植物であったり、浮葉植物のない群落も多い。水草の浄化作用はこれら形態によって大きく異なる。このほかに、水草の浄化作用が自然か、人工か、によって分けて考える必要がある。つまり、水草の人工的な施設である「湿地浄化法(constructed wetland)」と、自然に生育している水草の機能、つまり「自然の浄化作用」である。湿地浄化法は海外で多数の実績があり、日本でも事例が増えてきている。また、「自然の浄化作用」としては、沈水植物の効果が大きいことがわかってきた。国外では自然再生事業の効果として浄化作用を定量的に期待している事例も出てきた。ここでは、これら水辺の植物とその浄化作用について紹介する。" |