| ナガレホトケドジョウ(Lefua sp.)の保全に資するため、東海地方の2水系(豊川水系、矢作川水系)の山間部において、ナガレホトケドジョウが確認された8つの細流とその近傍の河床勾配、水深の似通った7つの細流を対象に、水質や河床材料等の物理環境と、底生動物相および河床の付着藻類の情報を収集するとともに、採捕されたナガレホトケドジョウの胃内容物を分析し、その生息環境と食性について調査を行った。ナガレホトケドジョウが確認された細流と未確認の細流との間には、水質、河床材料等物理環境の面では差異が認められなかった。底生動物相についても同様であり、細流間の底生動物相の違いはナガレホトケドジョウの生息の有無の関係よりはむしろ細流間の流呈距離で表現される結果となった。一方、胃内容物の調査結果よりナガレホトケドジョウは主として底生動物を餌としていることが確認されたが、確認地点の底生動物相と重ねてみると、特定の底生動物に対する嗜好性は認められず、ソコミジンコ類から水生昆虫まで、幅広い底生動物を利用していた。以上の結果より、ナガレホトケドジョウが生息できる環境条件としては、今回調査した河床材料や水質等の生息場の環境条件以外の項目が関与しているものと考えられる。また、餌生物との関係から、ある程度の底生動物が確保されることが必要であるものの、餌生物の種組成は重要ではないことが示唆された。 |