| " コンクリート構造物に対しては早期劣化や加水問題による品質不良など,その信頼性の失墜が大きな社会問題となっている。国土交通省においても平成17(2005)年4月「公共工事の品質確保の促進に関する法律」が施行され,単位水量の測定が土木工事共通仕様書に加えられ,非破壊試験を用いた配筋状態やかぶり検査が試行されている。また,財政難に伴う公共事業費削減の流れを踏まえ,ライフサイクルコストの低減を目指した維持管理も求められており,コンクリートの品質(強度,経年劣化)をモニタリングすることのできる技術は不可欠である。 これまで,コンクリート構造物の強度や経年劣化を評価する方法としては,構造体コンクリートからコア供試体を採取する方法が一般的である。しかしコア供試体の採取は,構造物の損傷や鉄筋の切断など,その構造性能に悪影響を与えないよう,採取前に構造物内部の鉄筋探査を実施し,位置や数量を限定して行われてきた。また,コア供試体採取後の補修方法によっては,構造物の耐久性に悪影響を与える要因となることなど,今までのモニタリング方法に関する問題点が指摘されている。そこで,これらの問題を解決すべく新しい構造体コンクリートの品質管理方法を研究開発した。この方法は図-1に示すボス供試体を用いて行うものである。以下にその利点を挙げる。①構造体コンクリートと同様の養生環境で,コンクリートの品質を確認することが可能となる。②構造体コンクリート内部に損傷を与えることなく,供試体を成型,採取することができる。③強度試験前に供試体載荷面の処理(キャッピングや研磨)が不要である。④供試体作製および採取時に,電気・水等の設備が不要である。本文では,このボス供試体を用いた構造体コンクリートの強度推定方法および耐久性試験(中性化・塩化物イオン浸透)方法について実験を通じて得られた知見を紹介する。" |