| コンクリート構造物の設計施工に際しては強度を主とした力学的性質はもちろんのこと,耐久性も重要な検討事項である。しかし,耐久性に関する配慮が十分でなかったために,昭和50年代後半に日本海沿岸や沖縄をはじめ,各地で鋼材腐食によるコンクリートの損傷,いわゆる塩害が表面化したことが報告された。各研究機関において塩害のメカニズムやその対策についての研究・開発が開始され,コンクリートの塩害対策として昭和59年2月「道路橋の塩害対策指針(案)」(日本道路協会)1)が発行された。そこでは鋼材かぶりを厚くすること,密実なコンクリートを打設すること,等を基本対策とし,改善策としてコンクリート塗装やエポキシ樹脂鉄筋等の使用を勧めていた。さらに,平成14年3月「道路橋示方書・同解説-コンクリ-ト橋編」2)では,前述の塩害対策指針(案)が準拠されるとともに、耐久性の向上を図るため、塩害地域におけるかぶりの規定の設定などの見直しが行われた。このような状況の中で、建設省土木研究所(現:独立行政法人土木研究所)は,「海洋構造物の耐久性向上技術に関する研究」を(社)鋼材倶楽部(現:(社)鉄鋼連盟),(社)プレストレスト・コンクリート建設業協会および(財)土木研究センタ-と共同で昭和57年から駿河湾に位置する海洋技術総合研究施設を用いて開始した3)。同共同研究の分担課題として土木研究所と(社)プレストレスト・コンクリート建設業協会は、「飛沫部におけるコンクリート構造物の防食技術に関する研究」を担当し,①コンクリートの防食に関する基本性能、②樹脂塗装鉄筋の耐久性、③耐海水コンクリート部材の開発(表面被覆材の耐久性および耐塩性コンクリート)、の3課題について、長期にわたる暴露試験を通した研究を実施している。暴露期間は既に20年を経過しているが、ここでは、その20年目までの主要な成果を紹介する。 |