| コンクリートの補修補強工法・材料には様々なものが開発されているが、現時点でそれらの最適な選択方法は未確立なのが現状である。コンクリートの補修補強工法の選択は、コンクリートの劣化機構や現在の劣化状況に応じて、補修方針が決定され、それに応じた工法・材料が選ばれるべきである。例えば塩害の場合、劣化状況や周辺環境に応じて例えば、①侵入した塩化物イオンの除去、②補修後の塩化物イオン、水分、酸素の侵入抑制、③鉄筋の錆の除去、④鉄筋の腐食防止策(塗装または電位制御)、などの補修方針が考えられ、それに応じた補修工法とそれに適した補修材料が選ばれるべきである。ところが、どのような劣化状況・周辺環境の時にどのような工法・材料を用いるのが最適かということについては、十分なデータがまだそろっているとは言えないのが現状である。最適な補修方法選択手法の確立のためには、それぞれの補修材料について、耐久性の評価が適切になされることがライフサイクルコスト削減の観点から重要である。補修材料の耐久性評価方法自体、まだ確立しているとは言い難いが、各工法・材料がどのような条件で施工されたときにどれくらいの耐久性を期待できるかという情報を収集し、まとめることが必要となる。コンクリート補修補強工法には、大まかに表-1に示す工法がある。これらのおのおのの工法・材料について、多くの研究者らが耐久性評価に取り組んでいるところであるが、筆者らは主に塩害やASRによって劣化したコンクリート補修における表面被覆工法とFRP接着工法について、このための研究に取り組んでいるので、検討の現状を事例として紹介する。 |