| 水環境中に残留する医薬品は、欧米諸国においてユビキタスな問題として先進的に調査、研究が進められている。このうち抗生物質は、他の医薬品と同様に水生生態系への影響が懸念されるほか、耐性菌出現の可能性も懸念されており、特に注目が高い。日本においても、ここ数年間で水環境に残留する抗生物質の実態の報告例が増加してきている。これらの報告によると、河川などの水環境で検出される抗生物質は、下水放流水由来であることが指摘されている。しかし、下水道を対象とした実態の報告例は限られておりその実態は十分に明らかにされていない。一般に抗生物質は生分解性が低いと考えられることから、下水処理過程では主に活性汚泥への吸着によって水系から除去されていると推測される。しかし、活性汚泥を対象とした分析法の報告例はなく、したがって、抗生物質の水相からの除去要因を考察することは困難である。本研究では、服用後、体外に排泄される量が多いと試算された人用抗生物質であるレポフロキサジン(LVFX)、クラリスロマイシン(CAM)、アジスロマイシン(AZM)を対象とし、活性汚泥を対象とした分析法を開発することを目的とした。さらに、実際の下水を引水して運転している実験プラントにおいて、開発した分析法を用いて、水相および汚泥相に含まれる抗生物質の実態を調査した。 |