| ここ数年,国内でも医薬品類の環境中の挙動,生態毒性及び生態リスクアセスメント研究が盛んになっている。この研究の発端の一つに生理活性の強い多種多様な医薬品類が環境中に存在していることが海外で数多く報告されたことが挙げられる。しかし,海外では医薬品類だけではなく,医薬品類と環境中への主要な排出源が類似と推定される化学物質群をPPCPs (Pharmaceuticals and Personal Care Products)と分類し,環境中のモニタリングやリスクアセスメントを行っている。具体的にEPAでは医薬品類以外のPPCPsとして,合成マスク(synthetic musk),紫外線吸収剤 (sun screen agents)を挙げている。これらの物質群は現在研究が進んでいる医薬品類とは異なる物質特性を持ち、さらに医薬品類や通常の化学物質とは異なる化学物質管理規制が行われているため,医薬品類と同じアプローチでは環境中挙動やリスクアセスメントを行うことが困難であると予想される。そこで今後,環境中挙動の把握や生態及びヒトへのリスクアセスメントが必要と思われるこれらの物質について,国内におけるこれらの物質の基礎的情報と研究の現況に関して,海外と日本との比較を交えて本総説としてまとめた。 |