| 医薬品や抗生物質は人の医療や畜産分野において大量に使用されている。近年、環境中の微量化学物質に対する研究の発展とともに、環境中における抗生物質の存在や水生生物への影響について関心が高まっている。医薬品、抗生物質は生理活性を持つ物質が多く、年間を通じて使用されているものもある。人に投与された抗生物質は生体内で代謝された後、または末代謝のまま尿中に排泄される。その多くは下水処理場を経て、また浄化槽からも水環境中に放出される。そこで本研究では、人用、畜産用抗生物質の両者で使用量が多く、また海外で報告例のあるSalfonnamide(サルファ系抗生物質)8成分とMacrolide(マクロライド系抗生物質)3成分を分析対象成分とし、水環境汚染の実態を明らかにすることを目的とした。まず水域への抗生物質の供給源として下水及び下水処理水を分析した。次に、日本全国の一級河川水中の抗生物質濃度を測定することによって全国的な汚染実態を把握した。さらに、流域人口が多く下水処理水が多量に流入する多摩川の抗生物質濃度を測定し、河川における抗生物質の動態を調査した。また高度処理(砂濾過処理、オゾン処理)による抗生物質の除去についても研究を行った。 |