国立研究開発法人土木研究所

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論文投稿 杭の水平支持に関する弾性限界

作成年度 2006 年度
論文名 杭の水平支持に関する弾性限界
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 基礎工
巻・号・回 第34巻第12号
発表年月日 2006/12/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
構造物研究グループ基礎チーム白戸真大、井落久貴、中浦 孝
抄録
"道路橋示方書IV1)は,橋梁の供用期間中に想定しうる荷重状態(常時,暴風時,レベル1 地震時)の設計にあっては,橋梁全体系の健全性を保証するものとし,そのために橋梁各部の挙動を弾性範囲,もしくは弾性と見なせる範囲に押さえている.杭基礎においても,各杭の挙動における弾性限界が照査点になる.杭に作用する水平荷重は,杭体と地盤抵抗がそれぞれ負担する.そこで,改訂された杭基礎設計便覧では,基礎の限界状態は,基礎の各部材の力学特性が弾性域を超えることなく,基礎を支持する地盤の力学特性に大きな変化が生じない限界の状態であることが示された.そして,設計では,1. 部材抵抗がその弾性限界を超えないこと,2. 地盤抵抗がその弾性限界を超えないことについて照査されることになる.具体的には,1. に対しては部材に発生する応力度が許容応力度を超えないことを,2. に対しては杭に生じる変位が下部構造から決まる許容変位を超えないことが照査される.無論これらの照査は,使用性だけではなく,基礎の安全性の照査も兼ねている.供用中に地盤抵抗が弾性限界に達しなければ,地盤の塑性化に伴った顕著な残留変位が生じるような状態には達せず,かつ常に変わらぬ反力特性を期待できる.したがって,伝統的に杭の変位が照査指標にされ,許容水平変位の照査が行われてきた.たとえば,過去には10 mmや15 mm という数値が,また現在では杭径の1%もしくは15 mm のいずれか大きい方が許容変位量とされている.ここでいう杭径の1%という許容値は,過去に土木研究所が多数の杭の水平載荷試験結果における弾性限界変位を調べた結果に基づいている2),3).その検討では,上記1., 2.のいずれが載荷試験の弾性限界であったのかは特に吟味されていない.しかし,実態として,杭が杭径の1%もしくは15 mm の変位に達するときには,杭体も降伏に達するかそれに近い状態になることが殆どである.したがって,許容水平変位を満足するように設計された杭基礎は,経験的に妥当と考えられる杭基礎諸元を与えており,特に問題があるものではない.しかし,近年,特に既製杭では大径化,材料の高強度化が進み,剛性の割に耐力が大きな杭が活用可能な状況になっている.杭体の弾性限界と地盤の弾性限界を区別し,地盤の弾性限界変位を調べることができれば,許容変位を大きくすることが可能であり,杭体の耐力・変形性能を生かした設計を行うことができるようになると考える.ここでは,水平力を受ける杭に対する地盤抵抗の弾性限界点について杭の載荷試験結果から分析した結果を示す."
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