| 近年、産業廃棄物等の不法投棄地、処分場跡地、事業所の跡地だったことなどにより、公共事業の実施時に有害物質による汚染に遭遇するケースが多発している。その結果、予定の位置に工作物が建設できない、あるいは、膨大な掘削汚染土等の対応に苦慮するなどの問題に直面している。ダイオキシン類に関しては、土壌汚染対策法施行に先立つこと3年前の平成12年1月より、ダイオキシン類対策特別措置法が施行されている。さらに、関係機関からの要望も極めて高かったことから、このたび「建設工事で遭遇するダイオキシン類汚染土壌マニュアル(暫定版)」(鹿島出版会)を発刊することとした。ダイオキシン類は重金属などと比べて、①公定法の分析に長時間と多額の費用を要する、②大気や作業環境の基準が設定されている、③現地内で実施する封じ込め等の汚染防止措置が具体化していない、などさらに難しい課題を抱えている。本書ではこのような課題をふまえ、陸域の公共工事でダイオキシン類に遭遇した場合の対応策を示し、安全性に対する説明責任を果たすことを目的とした。内容については、京都大学大学院 嘉門雅史教授を委員長とする「ダイオキシン類土壌対策マニュアル検討委員会」で審議していただくとともに、国土交通省および各地方時自体の皆様にも、対策事例の提供や本書を使う側の立場から数々の助言をいただいた。本稿ではマニュアルの概要について紹介する。 |