| 近年、国内でノロウイルスによる感染症が多発しており、感染流行期における下水処理過程での除去率の解明や、処理水中のノロウイルスを低濃度化する手法の開発が求められている。このため、活性汚泥処理法や砂ろ過法によるノロウイルスの除去能力の把握および下水処理過程での除去率の向上を目的として、パイロットプラントを利用した活性汚泥処理法、砂ろ過法による連続除去実験を行い、各手法の除去率を評価した。感染流行期と考えられる12~3月初旬の期間において流入下水中のノロウイルス濃度はG1、G2型ともに106~107コピ-/Lレベルで推移した。パイロットプラントにおける除去率は、活性汚泥処理法によるG1型の除去率は0.6~1.6log、G2型が1.1~2.1log、砂ろ過法ではG2型が0.6log程度であった。凝集剤添加活性汚泥処理法(5mg-AL/L)による除去率は各々0.6~2.6log、1.4~2.9log、10mg-AL/Lでは各々2.1~3.2log、2.5~3.5logであった。PACの添加濃度を10mg-AL/Lとすることで除去率を最大で2.1~2.5log程度向上させられることを明らかにした。また、凝集剤添加砂ろ過法(3mg-AL/L)によるG2型の除去率は1.9~2.4log以上となり、砂ろ過法と比較して除去率は最大で1.8log程度向上した。 さらに、下水処理場への流入下水、下水処理放流水および下水道整備状況の異なる小河川のデータを用いて、流行期におけるノロウイルス(G1、G2型)と化学物質マーカーの関係について検討した結果、カフェインまたは総ステロールとの間に一定の相関が認められた。このことから、化学物質マーカー濃度を測定することにより、ノロウイルスの感染流行期における最大汚染状況をある程度推測できることが分かった。 |