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発表 回遊性甲殻類を指標とした河川連続性評価

作成年度 2007 年度
論文名 回遊性甲殻類を指標とした河川連続性評価
論文名(和訳)
論文副題
発表会 日本甲殻類学会 第45回大会
誌名
巻・号・回
発表年月日 2007/10/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
河川生態チーム中田和義
河川生態チーム天野邦彦
河川生態チーム中西哲
河川生態チーム尾嶋百合香
河川生態チーム 水産大学校小林草平 浜野龍夫
抄録
 日本の河川に生息するエビ・カニ類の多くが,一生の間に河川と海域を往復しなければ繁殖できない「通し回遊性」の生活史を有する。こうした回遊性甲殻類は,塩分のある水域(河口域・海域)で浮遊幼生期を過ごしたのち,稚エビや稚ガニとなって河川を遡上する。 このような生活史をもつ回遊性甲殻類が河川を遡上する上で,堰やダムなどの河川横断構造物がそれらの回遊経路の分断化を引き起こす場合がある。とりわけ移動能力が弱いエビ類の場合,横断構造物によって回遊経路が分断され,その上流側の個体群が絶滅してしまった例もしばしば報告されている。横断構造物による回遊経路遮断に対する改善策として,通常は魚道が設置される。しかしながら,甲殻類の場合には,魚類のようにすぐれた遊泳力や跳躍力をもたないため,アユなどの魚類の遡上を目的として設置された既存の魚道では,遡上できない場合が多い。 同じ回遊性の動物であっても,甲殻類の場合は,魚類のように陸封されるとその環境で繁殖を始めることがなく,横断構造物などによる回遊経路遮断の影響をより受けやすいと考えられる。したがって,河川の連続性や水域のエコロジカルネットワークを正当に評価する上では,魚類に加えて回遊性甲殻類についても指標とすることが望まれよう。 本講演では,演者らの研究によって明らかとなった知見に基づき,まず,回遊性甲殻類の調査研究を進める上で不可欠となる,1)エビ類幼生のふ化のタイミングや稚エビの加入に関する生態学的知見と,2)河川で甲殻類を効果的に採集するための漁具についての知見を報告する。また,演者らが現在,愛知県豊川流域で進めている甲殻類を調査対象とした研究によって得られた知見の一部に基づき,3)回遊性甲殻類を指標とする河川連続性評価の可能性について言及する。さらに,4)横断構造物に設置することで,回遊性甲殻類を含む多様な生物を上流側へ効果的に遡上させることを可能にする安価な魚道についても紹介する。
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