| 中国における水力発電設備容量は、1949年にはたった163MWであったが、2007年には145,260MWとなり現在世界1位である。増大する電力需要対応や地球温暖化防止のためのCO2削減に対応したクリーンで再生可能なエネルギー比率を高めるため、最新の国家長期計画では、今後2010年には190,000MW、2020年には300,000MWに達する計画となっており、大規模な水力発電ダムが現在建設中であり、今後の建設も多数予定されている。 今回の文川地震の被災地を含む中国の南西部は、水資源、水力資源が豊富であり、中国国内の重要な水力エネルギー源となっている。そのため、大規模ダムも含め多数のダムが被災地周辺に位置していた。今回の地震では、多数のダムの被災状況の確認把握とともに、被災したダムにより下流域への2次災害の危険回避の対応が重要Missionであったこと、また、提高100m超の大規模ダムが大規模地震の震源近傍で受けた稀少な事例であったことなどが特徴である。本報では、中国水利水電科学研究院等の報告資料や昨年10月に北京で開催された第14回世界地震工学会議において中国側から発表された資料や情報交換などから得られた非常に限られた情報をもとに文川地震によるダムの被災状況とその緊急対応、さらには日本との技術交流状況について報告する。なお、文川地震では、斜面崩壊・地すべりによる河道閉塞(いわゆる地震湖、天然ダム)による被害も大きかったが、本報では人口ダムに限って述べる。 |