| 土質地盤の透水係数は室内透水試験や揚水試験、単孔式原位置透水試験(現場透水試験)等で測定されているが、多用されているのは、土質試料の粒度試験結果による代表粒径(D20 やD10)から透水係数を推定する方法である。その中でも最もよく用いられているのが、D20 から透水係数を推定するCreager の式である。しかし、地盤の不均質性から考えると、代表粒径のみから推定した透水係数は試料を採取した位置のみの透水性を反映していると考えられる。一方、現場透水試験で測定される透水係数は、通常50cm の試験区間内で最も透水性の高い部分に影響されるが、試験区間の平均的な値である。したがって、両手法によって得られる透水係数は異なることも多いと考えられる。今回、主に沖積層・洪積層のシルト、砂、砂礫層内で実施された約1000 点の現場透水試験結果と、同じ地層で採取された土質試料の粒度試験結果を整理し、両者の関係について検討した。その結果、Creager の式から推定した透水係数は、砂礫層で現場透水試験結果よりも大きくなり、逆にシルト層では小さくなる傾向がみられた。Creager の式から推定した透水係数と現場透水試験結果の差をとり、その差と細粒分含有率の関係を調べたところ、砂やシルトでは細粒分含有率が大きいほど現場透水試験結果の方が大きな値となた。つまりこれは、粒度試験結果から細粒土と推定された地盤であっても、実際には水みちが存在し、現場透水試験による平均的な透水係数は大きくなることを示している。一方、砂礫の大部分で現場透水試験結果がCreager の式から推定した透水係数の方がよりも小さいのは、細粒分による水みちの閉塞を示していると考えられる。このような考えのもとで、地盤の透水モデルを検討し、得られた透水係数の値の推定誤差範囲やその解釈について示す |