| 土木研究所、曙ブレーキ工業株式会社、川崎地質株式会社の共同研究により、2008 年~2009 年に、「IT 地盤傾斜計測システム」(以下、「IT 地盤傾斜計」と呼ぶ)を開発した。この新しい地盤傾斜計測システムは、半導体微細加工技術(MEMS)を活用した加速度センサにより、地盤の傾斜変動を精度よく測定できる。さらに、地すべり地内外に多くの計測点を設けるのに適している。山岳道路斜面やダム貯水池斜面において、過去に滑動履歴がない斜面で、突如地すべりが発生する現象(初生地すべり)が多く生じている。また、地すべり背後斜面が拡大崩壊する現象(派生地すべり)が生じ、災害発生後の安全管理上、しばしば問題となっている。 図-1 様々な地すべり地でのIT 地盤傾斜計の活用これらの災害を防止・軽減するためには、その初期の微小な斜面変動を検知する必要がある。しかし、計測技術が確立されていないため、その動態については不明な点が多いのが現状である。IT 地盤傾斜計計測システムは、微小でかつ変動範囲を特定することの難しい斜面変動の検知に適したシステムとして、期待されている。2009 年からは、この計測システムを、(1) 山岳道路斜面における初生地すべり (坂本ほか, 2010)、(2) ダム貯水池斜面(藤澤ほか, 2010)(3) 派生地すべり、(4) 河川に面した再滑動地すべり事例、にそれぞれ展開し、適用性の検証や、効果的な活用方法の検討を行っている。 |