| 切土のり面や自然斜面の安定化に、棒状の補強材を用いた地山補強土工法が使用されている。地山補強土工法の設計は補強材の引抜き力に期待したものであり、補強材の補強効果や健全性を確認するため、補強材の引抜き試験が行われている。しかし、国内では明確な補強材の引抜き試験基準が存在せず、適切な健全性の判定手法になりえているとは言いがたい。試験の方法としては、桁や板を介して補強材近傍の地盤や壁面材等に引抜きの反力を確保することが一般的であるが、補強材全長にわたって補強材と地盤が定着しているため、試験法によっては図1のように引抜き反力による地盤の拘束圧増加に伴って引抜き抵抗が大きくなり、引抜き抵抗を過大に評価している可能性がある。欧州規格1)において、反力装置に桁を用いた試験装置が推奨されているが、引抜き反力の影響については定性的な記述に留まっている。本研究では地山補強土工法を対象とした補強材の引抜き試験基準を確立することを目的に、引抜き試験結果に与える影響が大きいと考えられる引抜き反力について検討すべく、反力装置として一般的な反力桁を用いて、補強材から反力桁までの距離を変えて、補強材の引抜き実験を実施した。 |