| 1.はじめに 近年、国民の環境に対する意識の高まりから、自然環境を扱う事業が増え、河川の実務者に対する自然環境の専門的な知識の習得が急務となっている。平成15年に閣議決定された自然再生基本方針では、自然環境に関する知識を効果的に習得するには、単なる知識の伝達にとどまらず直接的な体験活動が必要であると指摘している。また、平成19年に策定された第三次生物多様性国家戦略では、自然との接点の機会が少なくなった現状を改善するため、自然体験プログラムの開発を進め、環境保全の活動に携わる人々を対象とした体験を通じた研修などの取り組みを推進している。 これまで、河川をテーマとした体験型プログラムは、市民や子どもたちを対象に実施した取り組みが数多く報告されているが、河川の実務者や専門家を対象にした実例はほとんどない。そのため、実務者の多くは、机上の情報を収集し、独自で研究を重ね、経験値を高める努力を行っている。河川の自然環境を理解するには、少ない情報から全体を推し量る知識や技術が必要となるため、理論上の知識を基に、フィールドにおける体験的な経験をつむことが重要となってくる。しかし、今日においてこのようなプログラムは実務者から強い要望があるにも関わらず、行われていなかったのが現状である。 そこで、本研究では、河川の実務者を対象としたフィールド体験型プログラムを開発するため、まず、実務者が捉えるべき河川環境の見方を既往の研究から整理し、プログラムを考案した。ついで考案したフィールド体験型プログラムを河川の実務者に実践し、質問紙調査から評価を行った。 |