| 大きな洪水のあと河川へ行くと、たくさんの河原が広がっている姿が目に付く。しかし、数週間もすると、すぐに植物が生えてしまう河原と逆に植物がほとんどない生えない河原など様相がさまざまである。この違いは、洪水中に河原へ供給される種資料の過多によって起こっているのだろうか。そうだとすれば、植物がほとんど生えていない河原では、種子がほとんど存在していないのだろうか。 河原での種子量に関する報告例は、ほとんど見られないが、陸域での報告例をみると、耕作地で29、000~70、000個/㎡と多く、森林で200~3、300個/㎡と少ないことが知られている。さらに、森林では、埋土種子の種類(埋土種子相)と地上部にある植物(植物相)との類似度合は、0.1~0.3と低いことも知られている。しかし、前述したようにくぁらに埋土種子がどの程度あるのか、そのうちどの程度が河原植生の育成に関わっているのかについては知見がない。 本研究では、種子発芽に関わる河原の比較的浅い部分(表層から10cmまで)を対象に、まず埋土種子の空間分布を明らかにし、次に埋土種子の分布が植生成立にどのような影響を及ぼしているのかについて検討したのでここに報告する。 |