| 近年、流水型ダムの計画・建設が増加している。現行のダムのカーテングラウチングの計画設計においては、湛水に伴う浸透現象の非定常性を考慮せず、設計上安全側の対応として定常問題として扱っている。しかし、流水型ダムにおいては、常時満水位(NWL)が河床標高付近に存在し、NWL からサーチャージ水位(SWL)の間のアバットメント部の基礎地盤については洪水時に一時的に水浸するのみである。そのため、基礎岩盤の浸透の非定常性を考慮することで、カーテングラウチングの基礎浅部における改良目標値の緩和や深度(範囲)の短縮(縮小)などの合理化の可能性を積極的に検討し、ダムの安全性を確保した上でその建設コストの縮減を図れる可能性がある。ただし、合理化検討に当たっては、合理化検討が可能となる地盤条件を明確にした上で、グラウチング処理部および未処理部の透水性のばらつきが集中的な浸透の発生を引き起こす可能性についても考慮する必要がある。本論文では、グラウチングの合理化が実施され始めたグラウチング技術指針の改訂(平成15 年)の約2 年前から現在までに試験湛水を行った78 ダムのカーテングラウチングに関する資料の収集を行い、カーテングラウチングの合理化内容について整理分析を行った。 |