| 寒冷地用塗料は、鋼道路橋塗装・防食便覧第Ⅱ編塗装編の新技術に記述されており、低温時での塗装が可能なことから、冬季、寒冷地における鋼構造物塗装の施工に関わる制約を緩和できることが期待されている。(独)土木研究所と塗料メーカー5社(関西ペイント㈱、神東塗料㈱、大日本塗料㈱、中国塗料㈱、日本ペイント㈱)は、これまで、寒冷地用塗料に関して、その施工性と耐久性について評価検討を行ってきた。本報では、寒冷地用塗料の耐久性を把握するために屋外暴露試験を実施し、塗膜の追跡調査を行った5年目の調査結果について報告した。また耐久性の室内試験として複合サイクル腐食試験を行い、200サイクル後の試験結果もあわせて報告した。寒冷地環境を想定した模擬環境あるいは実環境で塗装された試験体(-5℃試験板および切り出し部材)は、常温塗装の試験板と比較して光沢保持率はやや低下する傾向が見られたが、色差に関してはほぼ大差ない結果であり、総体的には、現時点で鋼道路橋塗装・防食便覧Rc-Ⅰ、Rc-Ⅲ塗装系とほぼ同等の耐久性能を維持していると考える。また、ブラスト処理をして寒冷地用有機ジンクリッチ塗料を塗装したものは、鋼道路橋塗装・防食便覧Rc-Ⅰ塗装系と遜色ない塗膜外観、付着強度が得られていた。今後も引き続き追跡調査を行っていく。複合サイクル腐食試験後の寒冷地用塗装系は一部カット部からの脹れ幅が大きい塗装系も見られたが、ブラスト処理をして寒冷地用有機ジンクリッチ塗料を塗装したものは、鋼道路橋塗装・防食便覧Rc-Ⅰ塗装系とほぼ同等の耐食性を有しており、寒冷地用塗装仕様においてもジンクリッチペイントの必要性が確認された。 |