ブラジル北東域では、2012年以降、深刻な旱魃が発生し、農業を支援するための旱魃モニタリング・季節予測ツールの開発に大きな期待が寄せられるようになった。そこで世界銀行プロジェクト(Technical Assistance in Implementing a Pilot of Agriculture Drought Monitoring and Prediction: Contract Number 7187738)の枠組みにおいて、本研究では、各種データをリアルタイムに収集し統合化して、地域の人々による結果の容易な取得を支援するデータ統合・解析システム(Data Integration and Analysis System, DIAS)上で、衛星観測データを用いた陸面での水循環と植生成長を算出するデータ同化システム(Coupled Land and Vegetation Data Assimilation System (CLVDAS))をリアルタイムに運用して、州レベルの農業的旱魃のモニタリングと予測を行うシステムのプロトタイプを開発した。さらにCLVDASからのデータと流域を対象とした水エネルギー収支分布型水循環モデルを用いて、圃場スケールでの農作支援情報提供システムの開発可能性を探った。 |