国立研究開発法人土木研究所

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発表 河川景観に配慮した護岸を構成する素材の特徴量

作成年度 2023 年度
論文名 河川景観に配慮した護岸を構成する素材の特徴量
論文名(和訳)
論文副題
発表会 2023年度河川技術に関するシンポジウム
誌名 河川技術論文集 
巻・号・回 第29巻 
発表年月日 2023/06/22 ~ 2023/06/23
所属研究室/機関名 著者名(英名)
自然共生研究センター永山明(NAGAYAMA Akira)
自然共生研究センター森照貴(MORI Terutaka)
抄録
(a)目的  河川の護岸に用いるコンクリートブロック(以下,護岸ブロック)の留意事項として,素材(コンクリート)の明度やテクスチャーについては基準が示されている1),2)が,景観パターンの一つとして挙げられる見た目の大きさについては明確に示されていない.護岸ブロックには様々な大きさがあり,表面に模様を施すことで実際よりも小さなブロックに見せようとするものがある.石積みによる護岸は河川景観としての評価が高く,用いられている素材(石)の大きさは護岸ブロックにとっての評価基準になると考えられる.そこで,石積みと護岸ブロックを対象に,特徴量として素材の大きさに加えて目地の角度に着目し,どのような違いがあるのかを把握することを目的とした. (b)内容  スケールを定義可能な石積みの画像を収集し,用いられている石材の大きさを算出した.護岸ブロックについては36種のCADデータを収集し,ブロック本体の大きさを求めた.さらに,護岸ブロックの表面に模様が施されている場合には,見た目の大きさを計測した.画像(石積み)もしくはCADデータ(護岸ブロック)の中に,5つの方形枠(1.0m×1.0m)をランダムに設定し,枠内に存在する目地の角度を全て計測した. (c)得られた成果  石積みに用いられていた石材の大きさは約25cmであった.小型の護岸ブロックは30~40cm程度であり,石材に比べるとやや大きかった.小型の護岸ブロック表面に模様を施すことは20cm以下の小さな見た目を作り出すことになり,既存研究3)で示されているように景観面から好まれない評価になってしまうと考えられる.大型の護岸ブロックは50cm×1m以上であることが多く,ブロックそのものは石材に比べるとかなり大きい.表面の模様は大きいものだと50cm程度であったが,約30cmの模様が多く石材と同程度であった.目地の角度については,野面の石積みの場合はあらゆる角度の目地が存在し,間知の石積みの場合は0°と90°が多いものの10°程度のバラツキがあった(図1).護岸ブロックにはブロック間の構造目地と表面の模様目地があるが,構造目地の角度が突出し,角度のバラツキは石積みに比べて極めて少なかった.構造目地とは異なる角度が存在したとしても,その分布は連続的ではなく離散的であった(図2).以上の結果より,石積みを模した護岸ブロックとするのであれば,見た目の大きさは約25cm,目地の角度は約10°の範囲に収めたバラツキが必要と考えられた.
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