国立研究開発法人土木研究所

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発表 水溶性フラーレン存在下でのPFOSがゼブラフィッシュに与える影響

作成年度 2022 年度
論文名 水溶性フラーレン存在下でのPFOSがゼブラフィッシュに与える影響
論文名(和訳)
論文副題
発表会 第49回日本毒性学会学術年会
誌名 第49回日本毒性学会学術年会
巻・号・回
発表年月日 2022/06/30 ~ 2022/07/02
所属研究室/機関名 著者名(英名)
水質チーム村田里美(MURATA Satomi)
水質チーム(現:岐阜大学)鈴木裕識(Suzuki Yuji)
水質チーム對馬育夫(TSUSHIMA Ikuo)
水質チーム山下洋正(YAMASHITA Hiromasa)
抄録
【目的】 近年、ナノマテリアルが新たな環境影響物質として懸念されている。水溶性ナノマテリアルである水溶性フラーレン(C60(OH)n)は、主に化粧品や医薬品に含まれているが、使用されたC60(OH)n は下水道に流入し、共存する有機汚染物質と結合することで、放流先の水生生物に影響を及ぼす可能性が考えられる。本研究では、C60(OH)nとペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)が共存する場合のゼブラフィッシュ稚魚に及ぼす影響を検討した。 【実験方法】 試験水は、①DMSO(15mg/L)、②C60(OH)n (10mg/L)、③PFOS(5mg/L)、④PFOS(10mg/L)、⑤PFOS(5 mg/L)+C60(OH)n (10mg/L)、⑥PFOS(10mg/L)+C60(OH)n(10mg/L)の6 種を用いた。各試験水30 m/Lに卵(約30個、n=3)を入れ、26℃、明期16h/暗期8hで飼育した。試験水は3日目で一度換水した。孵化から4日目(暴露開始から7日目)の稚魚を採取し、生残率と奇形率を検討した。また試験魚のメタボローム解析を行った。 【結果と考察】 PFOSとC60(OH)nを同時に曝露した場合、PFOSを単独曝露した場合と比べ、ゼブラフィッシュに取り込まれるPFOSの量に差はみられなかったが、稚魚の奇形率(体長、背骨の湾曲角度、目の大きさ)の増加が確認された。またこれらの試験魚を用いてメタボローム解析を行った結果、PFOSとC60(OH)nを同時に曝露した場合は、PFOSを単独曝露した場合に比べ、プリン代謝に関与する代謝物の増加が確認された。これらの結果から、PFOS単独に比べ、PFOSとC60(OH)nが共存することでゼブラフィッシュへの影響が大きくなり、両者の複合影響が生じることが推察された
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