本研究では、小規模下水処理場に適した簡易追加処理法として、下水二次処理水中アンモニア性窒素について、微生物保持担体とアンモニアセンサーを用いて、異なる担体流動性保持方法におけるアンモニア性窒素処理性能を比較し、効率的な低減方法を検討した。その結果、担体流動性保持を機械撹拌で行うことにより、効率的にアンモニア性窒素を低減できた。また日本河川に優占する淡水性付着藻類(緑藻、珪藻、藍藻)7種を選抜し、種感受性分布(Species Sensitivity Distribution, SSD)解析を用いてアンモニア性窒素の影響評価を行った。その結果、S. aestivaleとN. pelliculosは低濃度アンモニア性窒素を栄養塩として利用し、プラスの影響を受けることを明らかにした。また高濃度アンモニア性窒素存在下での影響試験を基にSSD解析を行った結果、HC5は7.6 NH4-N mg/Lであることが明らかになった。結合性塩素であるモノクロラミンの影響評価についてSSD解析を用いて行ったところ、HC5は0.01 mgCl2/Lであることを明らかにした。下水処理水が魚類に与える影響を把握するための評価手法として、動画解析を用いた影響評価について基礎的な検討を行った。検討の結果、下水処理水に連続暴露したヒメダカと脱塩素水道水(Control)に連続曝露したヒメダカの行動に差が生じることが確認されたが、それらの差について明確な毒性影響と判断することは難しかった。 |