国立研究開発法人土木研究所

論文・刊行物検索

利用者の方へ

詳細情報

 酸性硫酸塩土壌の簡易判定法の確立に関する研究

作成年度 2021 年度
論文名 酸性硫酸塩土壌の簡易判定法の確立に関する研究
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 成果報告書
巻・号・回 令和3年度
発表年月日 2022/03/31
所属研究室/機関名 著者名(英名)
資源保全チーム中谷壮範、松田俊之、横濱充宏、 酒井美樹、横川仁伸、山本弘樹、 田中稔
抄録
道路建設や農地造成などで掘削を行うと、酸性硫酸塩土壌が出現する場合がある。酸性硫酸塩土壌は、硫黄や硫黄化合物(主としてパイライト(FeS2))を高濃度に含有し、これらが酸化すると硫酸を生成するため強酸性を呈する。このため、酸性硫酸塩土壌に接触した場合、鉄製品やコンクリートに腐食劣化が生じるほか、作物・植物に生育障害が発生する。掘削直後の未酸化状態の酸性硫酸塩土壌は、中性を示すことが多いために酸性硫酸塩土壌であることが見逃され、後になって前述の被害が発生する事例もあり、工事において注意が必要な土壌であ る。本研究は、工事の円滑な推進に資するため、工事現場において迅速かつ簡便に酸性硫酸塩土壌の有無を判定する手法の確立を目的とし、以下の項目について成果を得た。① 現行法による酸性硫酸塩土壌の性状把握および分類・評価酸性硫酸塩土壌は非酸性硫酸塩土壌と比べて硫黄含量が多いことが確認された。また、酸性硫酸塩土壌の分布は局所的であることから、酸性硫酸塩土壌と疑われる土壌が露出した場合、その地点を含め、周辺のいくつかの地点から複数の試料を採取して分析・評価する必要があることがわかった。② 酸性硫酸塩土壌の簡易判定法の確立劇物である過酸化水素水(H2O2 30%)の代わりに、市販で入手が容易なオキシドール(H2O2 3%程度)を強制酸化剤として使用し、試料とオキシドールの混合割合1:30 で10 秒間撹拌した混合液を、80℃の湯浴で30 分間 加熱し、加熱終了後1.5 時間以内にpH を計測することで、酸性硫酸塩土壌を見逃すことなく迅速に判定可能であることを確認した。この結果を基に、酸性硫酸塩土壌の簡易判定法を確立した。
本文表示
ページの先頭へ

この画面を閉じる

Copyright (C) 2022 Independent Administrative Institution Public Works Research Institute