作成年度 | 2022 年度 |
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論文名 | 河川域の鳥類を対象とした環境DNA解析と観察調査の比較―那珂川を事例に― |
論文名(和訳) | |
論文副題 | |
発表会 | |
誌名 | 2022年度河川技術に関するシンポジウムおよび「河川技術論文集 第28巻」 |
巻・号・回 | |
発表年月日 | 2022/06/16 ~ 2022/06/17 |
所属研究室/機関名 | 著者名(英名) |
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土木研究所(現 国立環境研究所) | 田和康太 |
土木研究所 | 篠原隆佑 |
土木研究所 | 菅野一輝 |
土木研究所 | 村岡敬子 |
土木研究所(現 リバーフロント研究所) | 中村圭吾 |
抄録 |
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筆者らは,鳥類,特に多種の水禽類や渉禽類の生息に重要な内陸湿地の一つである河川域に着目し,那珂川(関東)の様々な環境において,河川表層水中に含まれる鳥類の環境DNAメタバーコーディング解析(以下,MB解析)を実施した.また同時に実施した鳥類の観察調査の結果と照合することで,各調査方法の特性を比較し,今後の河川域の鳥類相に対するMB解析の有効性について検討した.調査の結果,MB解析と観察調査に共通して生息し,検出された種の特徴として,水面を遊泳する水・渉禽類や待ち伏せ型の採餌方法を得意とする大型渉禽類のサギ類が挙げられた.その一方で観察調査のみで確認された種の特徴として,コチドリやセグロセキレイ,ハクセキレイといった小型かつ水際で探索型の採餌を行う渉禽類や水辺の陸鳥が挙げられた.また,MB解析のみで検出された種や,MB解析でのみ検出されたが,他の時期には観察された種も存在した.以上の結果は,従来の観察調査に加えてMB解析を補完的に実施することにより,対象水域のより網羅的な鳥類相を把握できる可能性があることを示唆するものである |