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 肥培潅漑による生産環境改善効果の解明

作成年度 2012 年度
論文名 肥培潅漑による生産環境改善効果の解明
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 土木研究所資料
巻・号・回 第4239号
発表年月日 2012/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
寒地土木研究所 寒地農業基盤研究グループ 資源保全チーム横濱充宏、大深正德、桑原淳
抄録
潅漑用水で希釈した乳牛ふん尿の好気発酵残渣である曝気スラリーの牧草地への散布が牧草地の土壌理化学性や牧草収量に及ぼす影響について検証した結果、重粘土において、土壌表層の膨軟化、排水性や肥料の保持能力等の改善が、また、基準収量以上の牧草収量の維持が認められ、肥培潅漑による作物生産性の向上効果が確認された。黒色火山性土では重粘土ほど顕著な改善効果は現れなかった。一方、曝気スラリーの長期連用に伴う亜鉛や銅等の微量要素の牧草地の土壌表層や牧草中への過剰な蓄積はなかった。また、曝気スラリーの牧草地への施用に伴う無機態窒素の土壌下層への集積もなかった。よって、肥培潅漑による地下水汚染は生じないと推察された。これらの現象は、肥培潅漑土壌における環境負荷物質収支の検討結果からも推察された。肥培潅漑施設導入による地球温暖化ガス削減効果を検証した結果、肥培潅漑施設での処理は従来の処理に比べて、被害額が増加するため、この抑制にあたり曝気スラリー貯留槽の有蓋化等の対策が必要なことが示唆された。
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