| 道路トンネルの覆工に材質劣化によるうき・はく離が確認された場合、利用者の安全性を確保する観点からはく落対策を実施することとなる。従来から適用実績が多い炭素繊維シートを用いた工法では、炭素繊維シートの単位はく離強さにはく離周長を乗じた値を耐荷力として評価できる。一方、山岳トンネル工法(いわゆるNATM)により建設された道路トンネルに発生するうき・はく離の面積は小規模なものが多いことから、対象とするはく落塊を小規模なものに限定し、養生時間が短い材料や安価な材料を用いることで工期の短縮や経済性の向上が期待される。一方、そのような材料は強度が低いものもあり繊維の構造等によっては、作用荷重に対する変位特性や破壊形態等に関し、従来とは異なる特徴を示す可能性が考えられる。
本研究では、従来から適用実績が多い炭素繊維シートと比較して低強度の材料を用いたはく落対策工を対象に、押抜き試験を行うとともに、破壊メカニズムを踏まえた耐荷力の評価手法について考察した結果を報告する。また、対策工の長期耐久性を評価するため、アルカリ水溶液への浸漬による室内促進劣化試験の検討を行った。並行して屋外暴露試験を実施し、耐荷力や破壊形態等の比較から長期耐久性手法の評価手法を検討した結果を報告する。 |