長期的な事業である地すべり対策において、地すべり防止施設の老朽化や機能低下による地すべりの再発が考えられるため、地すべり対策工の実施後において点検・観測を行い、必要に応じた補修・補強や更新を行うことが重要てあると考える。そのため、現在実施されているイニシャルコストの経済性評価による対策工法の選定ではグ十分であり、永続的に経済的かつ効果的な地すべり対策を実施するために、ライフサイクルコストの考えに基づき、対策工を計画し、アセットマネジメントの考え方を導入して適切に地すべり対防止施設を維持管理していく手法を検討する必要がある。本報告では、集水井について考察をするが、集水井の耐久性は井筒に、その機能は集水パイプ、排水パイプに依存すると考えている。これまで、地すべり集水井の維持管理に関しては、集水パイプの機能を維持するため、集水ボーリングの孔口に付着した等による閉塞の原因を追究した多くの研究が実施されているが、集水井の井筒に関して腐食や劣化について研究したものは、ほとんどない。そこで、腐食の影響が顕著にみられるライナープレートや補強材のメッキ厚や設計方法の技術変遷についてメーカーへのヒアリング調査を実施し、さらに地方自治体の目視による腐食調査結果をもとに井筒の耐久年数を考察したので、その結果を報告する。 |