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発表 ベントス種多様性へのダムの影響:データ解析によるダム上流下流間比較

作成年度 2011 年度
論文名 ベントス種多様性へのダムの影響:データ解析によるダム上流下流間比較
論文名(和訳)
論文副題
発表会 日本生態学会第59回大会
誌名 日本生態学会第59回大会
巻・号・回
発表年月日 2012/03/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
兵庫県立大学片野泉
兵庫県立人と自然の博物館三橋弘宗
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター森照貴
北海道大学赤坂卓美
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター一柳英隆
抄録
水生昆虫や甲殻類などのベントスは、河川の健全度や人為的な影響などを評価する生物学的な指標として、しばしば用いられる。これまでも、ダムの影響を評価する際は、ベントス群集が用いられてきた。しかしながら、ダムの影響は多岐に渡ることから、どういった要因がダム下流の生物群集に影響を及ぼすのかについて明確にされてこなかった。そこで、本研究では、全国のダムを対象に、上下流のベントス群集を比較することで、ダムの影響の度合いが地域や河川によってどのように異なるか、またどのような要因が影響しているかを明らかにするために調査を行った。調査の結果、ベントス群集の中でもカワゲラが大きく影響を受けていることが示唆された。カワゲラは一般的に冷水性の生物であり、ダム下流域における温度変化の影響を大きく受けたものと考えられる。また、ヤマトビケラなどの細粒土砂を必要とする生物も、ダム下流域では少なかった。つまり、この結果は、ダム下流域における細粒土砂の欠乏を示唆するものである。本研究では、これらダム上下流域におけるベントス群集の違いから、地域もしくは河川ごとに強く影響を及ぼす要因を抽出する予定である。
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