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発表 我が国における氾濫原環境再生のシナリオ-揖斐川における河道削掘によるハビタットモザイクと魚介類の生息-

作成年度 2011 年度
論文名 我が国における氾濫原環境再生のシナリオ-揖斐川における河道削掘によるハビタットモザイクと魚介類の生息-
論文名(和訳)
論文副題
発表会 日本陸水学会東海支部会第14回研究発表会
誌名 日本陸水学会東海支部会第14回研究発表会
巻・号・回
発表年月日 2012/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター佐川志朗
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター永山滋也
三重県生活・文化部新博物館整備推進室北村淳一
アクアトト岐阜池谷幸樹
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター萱場祐一
抄録
河道内に形成される氾濫原環境が生物多様性へ与える寄与度は大きく,河川の攪乱や自由蛇行等によって生じる形成履歴の異なる立地のバランスが氾濫原の多様性を維持しており,その環境は河川のダイナミズムによって時間的に更新される(Shifting habitat mosaic, Stanford et al. 2005)。近年我が国においては,河川工作物の設置による流量,土砂の流下減少,フローレジゥムの均一化,砂利採取等による澪すじの河床低下等に伴い,氾濫原域は,河川水域との二局化,樹林化が進行しており,本来の河川のダイナミズムの中でのハビタットモザイクの更新は困難となっている。一方で,我が国の今後の治水対策のあり方の中で,ダムに変わる治水対策として遊水地,放水路,河道掘削,引堤,堤防かさ上げ等様々な代替対策が検討されているが,その中でも河道掘削は安全性,実現性の観点から最も有効な対策と考えられている。実際にこれまでにも,全国の1級河川では河道掘削が多く行われており,その跡に湿地やワンド・タマリ(以降ワンドと記載)といった氾濫原環境が出現している。しかしながらそれらの環境の維持は困難であり,河川管理の観点からは再堆積やヤナギの樹林化による河道閉塞,アレチウリ等の外来生物の繁茂が問題視されている。以上の解決すべき点に加え,演者らは,我が国の氾濫原再生のキーは前述したハビタットのモザイク構造の創出にある(のでは?)と考え,その構造と機能を明らかにし具体の河道掘削方法を提案すべく,「河川地形改変に伴う氾濫原環境の再生手法に関する研究」というプロジェクト研究を今年度より立ち上げている。本発表では8年間にわたりランダムに地区掘削を行っており,その掘削高もバリエーションに富む揖斐川において,魚類の稚魚群集と淡水二枚貝類の調査を実施したので今後の展望も含めて紹介したい。
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