作成年度 | 2011 年度 |
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論文名 | 分布域南限付近のカジカの生息環境と水利用 |
論文名(和訳) | |
論文副題 | |
発表会 | 平成23年度全国大会 第66回年次学術講演会 |
誌名 | 土木学会 第66回年次学術講演会講演概要集 |
巻・号・回 | |
発表年月日 | 2011/09/01 |
所属研究室/機関名 | 著者名(英名) |
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河川生態チーム | 村岡敬子 |
河川生態チーム | 山下慎吾 |
河川生態チーム | 篠塚由美 |
河川生態チーム | 三輪準二 |
抄録 |
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カジカは底生魚の仲間で、アユなどの浮遊性の遊泳形態をとる魚に比べて移動能力が乏しい。そのため河道内の横断工作物による移動阻害の影響を受けやすいとされ、例えばカジカ科のハナカジカは河川改修やダム建設の影響により激減したといわれる1)。移動が制限されている環境で生物が生息するためには、移動可能範囲における水温環境が生理的生存可能温度範囲であることが必要であるが、分布限界域周辺ではわずかな水温環境の変化が魚の分布域や生活史において大きな影響を与える可能性がある。本研究では、カジカ分布域南限付近の河川において、水利用に伴う水温変化とカジカの分布域の関係を調査した。調査の結果、分布域の南限付近に生息するカジカにとって、堰堤による移動阻害だけでなく、水利用に伴う2~3℃の水温上昇が、分布域や繁殖環境の制限要因となっていることが推察された。一方、このような水温上昇に伴う影響は堰堤の構造や地下水の利用等により低減できる場合もあり、冷水性淡水魚の保全策のひとつとして検討することも必要と考えられた。 |