作成年度 | 2011 年度 |
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論文名 | 水枯れしない農業用水路における魚類の生息環境と利用実態 |
論文名(和訳) | |
論文副題 | |
発表会 | 応用生態工学第15回金沢大会 |
誌名 | 応用生態工学第15回金沢大会 |
巻・号・回 | |
発表年月日 | 2011/09/01 |
所属研究室/機関名 | 著者名(英名) |
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独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター | 永山滋也 |
北海道大学地球環境科学研究院 | 根岸淳二郎 |
岐阜経済大学 | 久米学 |
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター | 佐川志朗 |
岐阜・美濃生態系研究会 | 三輪芳明 |
抄録 |
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通年水枯れしない農業用水路において、灌漑期(6月,8月)および非灌漑期(9月,2月)にわたって魚類の生息環境と利用実態を検討した。主要6魚種の体長頻度分布から、一部の生活ステージのみ水路を利用する種や定着して生活史を全うする種の存在が推察された。また、他水域とのつながり方に依存し出現する魚種の存在が推察された。魚類の総生息量は概ね1年を通して、水路底面が土砂で構成される水路(土砂水路)の方がコンクリート水路よりも高く、多様性は冬季にあたる2月においてのみ土砂水路の方が高かった。また、多くの主要魚種の生息量は、温暖な時期(6月,8月,9月)については水路底の土砂(泥,砂,小礫)と正の関係にあり、寒冷な冬季(2月)にはカバーや水深と正の関係にあった。これらの結果から、水路が通年にわたる魚類生息場として機能するには、水路底に土砂が存在すること、特に生息条件が厳しくなる冬季の生息場として水際の植生カバーや水路全体の水深を維持する水量が必要であると考えられた。 |