アスファルト舗装においては、耐久性の向上や、透水・騒音低減などの機能の付加のために、しばしばポリマー改質アスファルトが使用される。加えて、近年は、橋梁のたわみに強いアスファルト混合物やはく離に強いアスファルト混合物など、さらなる性能向上や新たな機能付加が求められ、これに対応するために新しいポリマー改質アスファルトの開発が盛んに行われている。一方、これらのポリマー改質アスファルトを評価する試験方法は、従来からあまり変わっておらず、多様化する材料の性能を適切に評価しているとは言い難い。このため、多様なアスファルトに対応した評価方法が必要となっている。そこで、土木研究所と日本改質アスファルト協会ではこれらの課題に対応するために、共同研究を行った。本研究においては、ポリマー改質アスファルトの高温から低温までの性状把握方法の検討、劣化に関する評価方法の検討、水によるはく離抵抗性を評価するための新たな評価試験について検討を行った。本稿では、開発した高温性状把握のためのアスファルトのせん断試験、および低温性状把握のためのアスファルトの曲げ試験、供用中の劣化の評価手法としての暴露試験、耐水性評価手法としての硅砂を利用したはく離評価試験の内容および、それらの試験による基準値案を紹介した。 |