土木研究所と民間会社8社は,浸透性コンクリート保護材研究会を結成し,浸透性コンクリート保護材の性能持続性と性能評価方法に関する検討を行い,水分計を用いた浸透性コンクリート保護材の塗布判別方法(案)と浸透性コンクリート保護材の性能基準(暫定案)を提案した。これらの研究成果の概要を述べる。はっ水性保護材を塗布したコンクリート表面は水をはじくことに注目し,現場での施工管理方法を検討した。その結果,シラン系,シラン・シロキサン系などの浸透性コンクリート保護材の塗布判別は,水分計を使用することによって可能であることが明らかになった。浸透性コンクリート保護材の性能評価方法や長期の性能を確認するため,平成14年から試験を開始した。暴露後の外観観察,表面はっ水,浸透深さ,透水量,透湿性,塩化物イオン浸透性,中性化深さ,吸水率を測定し,室内試験の結果とあわせて3年間の試験結果をまとめた。その結果,室内試験での塩化物イオン量と屋外暴露での塩化物イオンには寄与率0.80の関係があった。室内試験での塩化物イオン量と塩化物イオン浸透性の質量変化率には寄与率0.94の高い関係が得られた。浸透性コンクリート保護材の塩化物イオン浸透性に関する性能基準(暫定案)は,試験体3個全てにおいて30日後の吸水率が0.3%以下とした。 |