鋼道路橋塗装における揮発性有機化合物(volatile organic compounds, VOC)の排出量を削減するために、土木研究所と塗料メーカー6社(関西ペイント(株)、(株)トウペ、神東塗料(株)、中国塗料(株)、日本ペイント(株)、大日本塗料(株))は、水性塗料および無溶剤形塗料・低溶剤形塗料の適用について検討した。鋼構造物塗装のVOC削減に関する検討(1)~(6)までの結果より、「鋼道路橋塗装・防食便覧」(以下、「便覧」と称す)の新設用C-5塗装系、同じく塗替用Rc-I塗装系、Rc-III塗装系の代替として、水性塗料を用いた塗装系が適用可能であること、また、河川水と接する環境での鋼製橋脚等の塗装には、低溶剤形塗料を用いた塗装系が適用可能であることが明らかとなった。その一方で、無溶剤形塗料は溶剤形に比べて塗装作業性に劣るため、新設時の工場塗装では問題なく施工できるものの、現状では現場での塗替塗装に適さないことが明らかとなった。そこで本報では、水性塗料および低溶剤形塗料のみを対象として、これらを適用したVOC削減塗装系を提案し、従来の溶剤形塗装系に対するVOC削減効果についてまとめた。 |