作成年度 | 2012 年度 |
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論文名 | 多様な魚類群集を支える氾濫原水域~山地渓流から沖積低地河川まで~ |
論文名(和訳) | |
論文副題 | |
発表会 | H24年度応用生態工学会札幌セミナー |
誌名 | |
巻・号・回 | |
発表年月日 | 2012/08/01 |
所属研究室/機関名 | 著者名(英名) |
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独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター | 永山滋也 |
抄録 |
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山地、扇状地、沖積低地の河川氾濫原において、景観的特性に基づいた生物生息場の類型化を行い、生物(主に魚類、二枚貝類)の利用実態についてまとめた。氾濫原水域は、山地で「側流路(side-channel)」、人為的影響が大きい扇状地では、狭い堤外地に形成された「ワンドやたまり」、沖積低地では「河跡湖」、「二次流路(creek)」、河岸凹地形の「よどみ」が識別された。これら氾濫原水域は、稚魚や小型個体の成育場、止水性魚類の生活史を通した生息場、さらに越冬場として機能しており、魚類群集の形成・維持にとって極めて重要な環境要素であることが理解された。流程を通して、土砂の欠乏状態による河床低下が氾濫原水域(氾濫原生態系)の共通の劣化要因として考えられた。氾濫原生態系の再生を行うには、適切な土砂の供給が必須である。ただし、扇状地や沖積低地では、河川水面と氾濫原陸域の地盤高の相対的な高さを操作することで、暫定的な再生を行える可能性がある。 |