国立研究開発法人土木研究所

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論文投稿 天然記念物4魚種の生息環境の創造による応用生態工学的挑戦

作成年度 2012 年度
論文名 天然記念物4魚種の生息環境の創造による応用生態工学的挑戦
論文名(和訳)
論文副題
発表会 応用生態工学(15(2),233-234)
誌名 (記載なし)
巻・号・回
発表年月日 2012/12/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
兵庫県立大学自然・環境科学研究所兵庫県立コウノトリの郷公園佐川志朗
岐阜経済大学地域連携推進センター森誠一
三重県立博物館北村淳一
抄録
国の種指定天然記念物4魚種(イタセンパラ Acheilognathus longipinnis, ミヤコタナゴ Tanakia tanago, アユモドキ Parabotia curta およびネコギギ Pseudobagrus ichikawai)は、すべて日本固有の淡水魚類であり学術的にも重要な我が国の財産である。1970年代に天然記念物指定(文化庁)されて以来、各関係機関により生息域内・域外保全が断続的に遅々としながら実施されてきたが、指定から30年以上経過した現在においても絶滅の危機に歯止めはかからず、野生生息地は減少し続けている(森編 1999; 片野・森編 2003). これら4種が生息する特徴的なそれぞれの環境(本特集号の各論参照)を保全するためには、生息場所の環境特性を定量的に把握してその環境を順応的に創出する応用生態工学(ECE)的アプローチが重要と考えられる。また、メタ個体群の遺伝的保全にも目を向け、放流・導入による局所個体群間の遺伝的流動についても留意してモニタリングする必要がある。実際に、天然記念物指定かつ絶滅危惧種(環境省)に選定されながらも、絶滅の危機から脱し得なかったこれまでの現状の保全対策に、近年、ECE的アプローチにたった保全の取り組みが行われてきている。これは彼らを絶滅の危機から救うべく応用生態工学の挑戦!?ととらえることもでき、今後の保全対策の方向性を指し示すためにも事例を集積することが重要である。すなわち現在、個々の種が置かれた現状・課題を明確に把握し、土木的改善かつ地域連携を含めた効果的な実施として、いっそうの保全対策を提示することが切望されている。
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