国立研究開発法人土木研究所

論文・刊行物検索

利用者の方へ

詳細情報

論文投稿 液状化被災地における物理探査および地質学的総合調査:千葉県幕張海浜公園での浅部地盤調査例

作成年度 2012 年度
論文名 液状化被災地における物理探査および地質学的総合調査:千葉県幕張海浜公園での浅部地盤調査例
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 物理探査
巻・号・回 Vol. 66, No. 1
発表年月日 2013/03/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
地質・地盤研究グループ稲崎 富士
抄録
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震では,震源域から離れた東京湾に面した埋立て地域においても広範かつ大規模な地盤液状化・流動化被害が認められた。そのような大規模液状化被災地の一つである千葉市幕張海浜公園において,液状化メカニズムの解明を目的とした物理探査および地質学的総合調査を実施した。このサイトは地震直後に広範囲に液状化し,延長100m以上に達する数条の地割れから大量の噴砂が流れ出た。また地表が波打つ「地波」も発生したことから,地割れ部だけでなく全域的に液状化が発生したことが推定された。この公園内に長さ120mの探査測線を2本設定し,高分解能S波反射法地震探査および高精度表面波探査を適用した。さらにこの測線上の7地点においてコーン貫入試験およびサイスミックコーン貫入試験を実施した。このうち4地点ではオールコアボーリングも実施している。物理探査の結果,深さ20m程度までの浅部地質構造を明瞭にイメージングすることができた,また深さ3~5m付近の埋土層部に低S波速度ゾーンが連続していることが認められた。この深度では細粒シルト層の内部構造が乱れていることが確認され,流動化によって変形・破壊を受けたことが示唆された。一方堆積学的解析によって液状化した砂層を特定することができたが,その層準ではコーン貫入試験による過剰間隙水圧が負圧を示し,注水試験(HPT)でも相対的に注入圧が小さい区間として特徴づけられることがわかった。従来の液状化調査・判定はボーリング調査で求められたスポット的なN値と細粒分含有率を示標としており,液状化現象の全体像を把握することが困難であった。これに対し詳細な物理探査を適用することによって液状化層の空間的広がりとその物性を把握することが可能であることが分かった。
ページの先頭へ

この画面を閉じる

Copyright (C) 2022 Independent Administrative Institution Public Works Research Institute