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発表 寒冷地用塗料の発生溶剤管理に関する検討

作成年度 2013 年度
論文名 寒冷地用塗料の発生溶剤管理に関する検討
論文名(和訳)
論文副題
発表会 第36回鉄構塗装技術討論会
誌名 鉄構塗装技術討論会発表予稿集
巻・号・回 第36巻
発表年月日 2013/10/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
鋼構造物塗膜処理等研究会石田博文
土木研究所林田宏
土木研究所冨山禎仁
関西ペイント後藤宏明
神東塗料大山博昭
抄録
積雪寒冷地においての塗替え塗装工事は気温の影響が大きく、気温の低下する時期では従来型の塗料の場合、変性エポキシ樹脂塗料では低温用塗料を使用しても5℃以下、低温型のない有機ジンクリッチペイントでは10℃以下の塗装工事は大きく制限される。このため、季節によっては塗装可能温度になる時間が短くなることによる作業効率の低下や温度確保のための暖房機の使用などによってのコストの上昇、CO2 の排出量の増加につながっていた。また、鋼道路橋塗装・防食便覧1)の改訂で素地調整にブラスト工法が採用され、工事期間が長くなり気温の低下による影響を受けることが多くなった。これらの問題を解決するために鋼道路橋塗装・防食便覧 第Ⅱ編塗装編の新技術に5℃以下の低温でも硬化が可能な寒冷地用塗料が記載されている。しかし、これらの塗料について施工性や耐久性等の塗膜性能に関しては十分な検討がまだ行なわれていない。このため、室内促進試験、実環境での暴露試験及び施工性試験などを通して、寒冷地用塗料に関する性能を明らかにして、積雪寒冷地における各種問題点の解消を図ることが望まれている。寒冷地用塗料の塗装施工時に発生する有機溶剤ガスの対策として送風機の有効性等について検討を行なった。その結果、以下のことが明らかになった。1)事前試験の結果から寒冷地用有機ジンクリッチペイントと寒冷地用エポキシ樹脂塗料では、塗料に含まれる全溶剤量はエポキシ樹脂塗料の方が多かったが、管理濃度の厳しいトルエン、エチルベンゼン、メチルイソブチルケトンでは有機ジンクリッチペイントの発生量が多い傾向を示した。特にトルエンではこの傾向が顕著であった。2)塗付量が少なくても密閉空間では管理濃度が厳しい溶剤は、基準値以上となることが想定されるので注意が必要である。3)送風機等の換気設備を使用しない状態で塗装を行なうと、トルエンの場合10 分程度で管理基準の2 倍以上のガス濃度となり危険な状態となる。溶剤ガスの発生のピークは塗装完了の数分後となり、その後、減少傾向が続くが30 分以上経過しても管理基準値を大きく超えている状態である。4)送風機を使用した場合、溶剤ガスの発生量に見合った十分な能力を持った送風機を使用すると、1~2 分の換気で場内の溶剤ガス濃度は0ppm となり、その有効性が確認された。
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