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発表 典型種の分布パターンから河川生態系の現状を評価する:木曽三川を例にして

作成年度 2012 年度
論文名 典型種の分布パターンから河川生態系の現状を評価する:木曽三川を例にして
論文名(和訳)
論文副題
発表会 2013年度日本魚類学会年会
誌名 2013年度日本魚類学会年会
巻・号・回 2013
発表年月日 2013/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター森照貴
岐阜県河川課上野公彦
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センラー小野田幸生
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ自然共生研究センター高岡広樹
独立行政法人土木研究所水環境研究グループ河川生態チーム萱場祐一
抄録
河川生態系に対する人為的な影響として、ダムや堰などの横断構造物の存在、河道改修や護岸設置にともなう河川の単調化、農地や住宅地の増加に伴う水質の悪化などが挙げられる。これらの人為的な影響は、魚類の種多様性の低下や希少魚種の減少などをもたらしており、河川生態系の劣化が生じていることが示されている。現在、河川生態系の劣化は流域全体で生じていることから、河川生態系を効率的に保全・管理および修復するためには、河川生態系の現状を流域レベルで把握することが必要である。そして、現況を把握したうえで、優先的に保全・管理もしくは修復するべき場所を選定するべきである。特に、劣化した河川環境の修復は、適切に実施することで多様性や希少魚種の保全・管理にも有用となる可能性がある。しかし、劣化の修復だけを目的にした場所の選定ではなく、多様性や希少種の保全にも効果的となり得る場所を抽出するためには、対象とする河川区間が「劣化しているのか、否か」に加えて、「保全の面からも重要な場所となりえる可能性があるのか、否か」に関する知見も必要となる。 そこで本研究では、中部地方を流れる木曽川、長良川、揖斐川の3つの流域を対象に、河川区間スケールにおける魚類群集の“典型性”を求めることで、河川生態系の劣化の程度を評価した。さらに、劣化をもたらしている要因を解明し、その要因が取り除かれた場合に形成されうる群集構造についても検証を行った。そして、得られた結果から、どこの河川区間を修復することで、著しく劣化した河川区間を少なくすることができ、さらに多様性や希少種の保全・管理に対しても有用であるかについて考察を行う。
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