国立研究開発法人土木研究所

論文・刊行物検索

利用者の方へ

詳細情報

発表 低落差の工作物における魚類の移動環境に関する一考察

作成年度 2013 年度
論文名 低落差の工作物における魚類の移動環境に関する一考察
論文名(和訳)
論文副題
発表会 平成25年度日本水産学会秋季大会
誌名 平成25年度日本水産学会秋季大会講演要旨集
巻・号・回 2013
発表年月日 2013/09/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
河川生態チーム村岡敬子
河川生態チーム萱場祐一
--
--
--
抄録
目的】水面落差が既知の国土交通省直轄区間の河道横断工作物1060施設のうち、3割以上が水面落差0.5m以下、半数以上が1m以下の低落差工作物で、これらの6割以上には魚道が設置されていない。これらの工作物と魚類の移動環境に関する知見が乏しいいことから、工作物周辺の流れ場における魚類の遡上行動を実験的に明らかとするとともに、移動環境を改善するための配慮事項を検討した。【方法】土木研究所内の屋外実験水路に、河道横断工作物の二次元模型(幅40cm)を製作し、水面落下部周辺におけるイワナおよびカジカの遊泳行動を高速ビデオカメラを用いて観察した。実験は、工作物の下流面が45°傾斜したケースを中心に、3断面形状の工作物を対象とし、越流水深5~25cm、水面落差-10~15cm、下流水深15~60cmの範囲で水理条件を設定した。また、工作物表面への粗度の設置によりカジカ等底生魚の移動環境の改善を試みた。【結果】イワナでは、下流水深が深いケース、工作物下流に渦が発生するケースのように、越流水脈をみつけにくいケースでは、遡上行動そのものが低下する様子が観察された。また、越流水深が5cmのケースでは越流水深10cm以上のケースに比べ、遡上に失敗する率が有意に高くなる結果が得られた。イワナは本実験の範囲においては十分遡上可能な遊泳能力を有しているが、工作物の水理条件によっては移動環境に影響を受ける可能性が示唆された。カジカにおいては、越流頂部へのアプローチが困難な状況がみられ、遡上を可能とするためには構造物表面に高密度の粗度の配置が必要であった。
ページの先頭へ

この画面を閉じる

Copyright (C) 2022 Independent Administrative Institution Public Works Research Institute