鋼道路橋の高齢化が進んでおり、その維持管理に係る負担が増大している。従来、鋼道路橋の維持管理には塗装による防食が大きな位置を占めており、その高性能・高機能化により鋼道路橋の維持管理コスト、ひいてはライフサイクルコストを効果的に縮減できるものと期待される。ところが、現在の塗装設計基準は、使用する塗料の種類や使用量、施工方法などの塗装仕様が規定されたいわゆる「仕様規定」となっているため、新技術や新材料の導入の自由度が低いのが現状である。このため、塗装設計基準を性能規定に移行させ、合理的で多様な開発による、塗料・塗装技術の品質・性能の向上やコスト縮減が促進される環境の整備が必要と考えられる。そこで本研究では、鋼道路橋塗装の設計基準の性能規定化に資するために、鋼道路橋防食のために塗料・塗膜が備えるべき諸性能・機能について整理するとともに、これらを的確に評価できる試験評価技術を確立し、性能基準値を提示することを目的としている。本報では「鋼道路橋防食便覧」に規定されている新設用塗装系を標準塗装系と位置付け、その塗膜の各種性能を、現行の規格・基準類に基づく試験方法により評価している結果のうち、上塗り塗膜の耐候性について検討した結果について報告する。 |