舗装の再生利用の拡大により日本国内のアスファルトプラントから出荷されるアスファルト混合物のうち、約3/4 は再生アスファルト混合物となっている1)。これまで、再生アスファルト混合物の製造に用いる添加材料には、潤滑油などの軽質なオイルを用いた再生用添加剤が利用されてきた。平成22 年11 月に改訂された舗装再生便覧には、再生アスファルト混合物の製造時に不足するアスファルトを補うためや旧アスファルトの性状を回復されるための新アスファルトとして高針入度のアスファルトが追加された。高針入度のアスファルトは再生用添加剤を用いた場合に比べ、アスファルトの組成を適正に保ちやすく劣化の進行が緩やかになるとの報告2)もあり、再生アスファルト混合物への利用促進が期待されている。その一方で実道での施工性、供用性などは確認されていないのが現状である。そこで,(国研)土木研究所、東京都土木技術支援・人材育成センターおよび(一社)日本アスファルト合材協会の三者で高針入度のアスファルトの舗装への適用性を検証するための共同研究「未利用資材としての高針入度アスファルトの舗装への適用性に関する研究」を平成25 年8 月から開始している。本稿は、この共同研究の一環として実施した、高針入度のアスファルトを用いた再生アスファルト混合物の室内劣化性状について報告するものである。 |