昭和30年代以降の高度経済成長期において、社会資本として急速に設置されてきた多くの河川用ポンプ設備や河川用ゲート設備等の土木機械設備は、近年老朽化の時期を迎えるとともに設備数が増大しており、今後更新費や維持管理費の増大が予想されている。一方で社会情勢から予算規模の縮小が課題となっており、一層の維持管理コストの縮減のため、個々の管理についてはライフサイクルマネジメントの導入が進められているところである。 これら土木機械設備は、常時頻繁に運転しなくても必要とされる時には必ず機能することが求められるため、信頼性評価に基づく経済的かつ合理的な維持管理が重要となる。 しかしながら、財政的・体制的な制約等より、全ての土木機械設備を画一的な管理水準で維持管理することが今後困難となることが推測されることから、従来型の維持管理手法からの転換が必要となる。したがって、複数施設を対象とした健全度評価に基づく機能保全対策を通じて、既存施設(ストック)の有効活用や長寿命化を図り、もってライフサイクルコストを低減する、いわゆる「ストックマネジメント」の導入が急務となっている。 このため、土木機械設備に求められる管理水準を社会的な重要度等に応じて合理的・体系的に差別化し、管理水準に応じたストックマネジメントを支える要素技術及びそれらを組み合わせたマネジメント手法の開発が求められる。 |