国立研究開発法人土木研究所

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発表 人工構造周辺における淡水カジカの移動環境

作成年度 2015 年度
論文名 人工構造周辺における淡水カジカの移動環境
論文名(和訳)
論文副題
発表会 2015年度日本魚類学会年会
誌名 2015年度日本魚類学会年会要旨集
巻・号・回 -
発表年月日 2015/09/04 ~ 2015/09/07
所属研究室/機関名 著者名(英名)
河川生態村岡敬子
河川生態萱場祐一
抄録
筆者らはこれまで,カジカが人工構造物の影響を受けやすい原因として,カジカが構造物や隔壁の頂部における流れの急変部でバランスを崩すことが原因の一つであること,移動環境の改善のためには,面的な粗度の配置が効果的であるとともに,これにはカジカの遊泳形態が関与していることを示してきた.ところで,我が国の魚道の中で最も設置数の多い階段式魚道は,サケやアユといった遊泳魚を対象に設計されてきた歴史を持つ.本魚道の隔壁頂部付近の流れは,頂部から下流水面までの落差,越流水深,頂部形状に左右され,同じ構造物でも,平常時と渇水時,出水時では流況が変化する特徴をもち、その際に魚の移動のしやすさが変化すると考えられることから,実物大階段式魚道模型を用い,異なる流況下における隔壁付近のカジカの遊泳行動をイワナやアユと比較した.その結果、カジカはイワナやアユに比べ遡上効率が低いものの、隔壁間落差に対して越流水深が大きくせき上げがある流況において,隔壁部を超える個体が観察された.落差が小さく越流水深が大きいケースでは,流れが表面流と呼ばれる流況となり、隔壁下流面での落ち込みの影響が小さくなるとともに、隔壁頂部付近では流れの主流が頂部より離れ,これによりカジカが隔壁頂部にアプローチがしやすくなるためと考えられた.さらに,これまでの結果を踏まえ,人工構造物周辺のカジカや小型の遊泳魚の移動環境を改善する方策を検討したので報告する.
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