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発表 中小河川における河川環境に配慮した河道設計支援ツールの開発

作成年度 2015 年度
論文名 中小河川における河川環境に配慮した河道設計支援ツールの開発
論文名(和訳)
論文副題
発表会
誌名 河川技術論文集 21:
巻・号・回
発表年月日 2015/06/10 ~ 2015/06/11
所属研究室/機関名 著者名(英名)
国立研究開発法人 土木研究所 自然共生研究センター大石哲也
岐阜大学流域圏科学研究センター原田守啓
国立研究開発法人 土木研究所 自然共生研究センター高岡広樹
国立研究開発法人 土木研究所 自然共生研究センター萱場祐一
抄録
中小河川では,河川改修や災害復旧事業の際に,河川断面を単断面とし,河床を堀下げ両岸を立ち護岸とする改修が多く行われてきた1).この結果,改修後の出水によって極度に河床低下する例があり,河道の安定性に欠ける川づくりが見られた1),2).また,川幅が狭いことで,瀬や淵といった生物にとって重要な生息場の形成への配慮が不十分であるなどの問題もあった.このような状況に鑑み,国土交通省では,「中小河川に関する河道計画の技術基準について(平成22年改訂)」や「美しい山河を守る災害復旧基本方針(平成26年)」(以下,技術基準)の中で,上記の問題点を解消する手立てについて一定の基準を設けた.例えば,技術基準の中では,川幅を広くすることで,河床に働くせん断力を小さくし河床低下の軽減を図ると共に,出水時の地形変化に伴う瀬や淵の形成を促進し,生物生息場の確保を可能にするなど,河道計画時に配慮すべき具体的な手法等が示されている.しかし,技術基準の内容全てを河道計画・設計に反映するには,後述するように実務的な課題が幾つか残されている.また,水理学,生態学,応用生態工学等の発展により各々の分野で河川における科学的な知見の集積や解明が進んでいるが,これらの成果が中小河川の河道計画・設計に十分に活かされていないことも課題である.これらの問題点を少しでも解消するためには,実務的な課題を解決しながら,学術的な知見を河道計画・設計に生かす何らかの手立てが必要不可欠である.そこで筆者らは,この解決の1つの手段として,治水と環境を統合し,かつ定量的に検討できるツールの開発を行ったので,その概要と活用について報告する.
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