中小河川!では,大河川と比較して川幅が狭いため,護岸のような人工物が河川空間内で相対的に目立ち易い1)このため美しい山河を守る災害復旧基本方針」の中では,河岸に護岸を設置する場合,i可)11景観の保全に配慮するために,護岸が周囲の景観と調和し,目立たないことが原則とされている.周囲の景観との調和を保つためには,例えば,護岸の明度を6以下として,周囲の景観との明度差を抑えること却や護岸のテクスチャーに,起伏の小さな表面構造を避けること本命司などが必要とされている.また,護岸に利用するコンクリートブロック単体(以下,護岸ブロック)に関わる評価だけでなく,護岸ブロックの形状やサイズ,積み方,目地の深さや幅の条件により,護岸の表面に形成される樹菜(以下,景勧4ターン)についても配慮する必要がある司.景観パターンについては,既往の研究骨で,護岸の表面に穴あきが目立つような場合,周囲の景観と調和しにくいことが明らかになっている.このような景観パターンは,主に植物の繁茂を目的としているブロック(以下,緑化ブロック)を用いた護岸で多く見られる.緑化ブロックは,関口部や緑化スペースがあることで,植物の繁茂に寄与し,自然環境に医白惹できることから,現場での利用も多い.しかしながら,現場によっては,植物の繁茂状況も異なっており,関口部に植物が十分に繁茂していないこともある.この状態では,穴が目立ちやすくなる.既往の研究では,現場において,植被率を緑化ブロックのタイプ別に調査し,緑化性能の視点での評価がされており,タイプ別に植物の繁茂状況に差があることが指摘されている乃この他にも,植物の繁茂状況によって河川景観へ対する印象に影響することも知られている町.これらの知見から,緑化ブロックを対象として周囲の景観との調和について評価をする際,植物を考慮する必要性が示唆される.しかしながら,緑化ブロックと植物の関係を景観の視点、から評価した研究は見られない.また,関連する国外の研究例としては,ヨーロッパでの河岸の緑化は,緩勾配の自然河岸の緑化や捨て石が中心であり、それらによって侵食防止を行う例町の他,揚子江を対象として護岸工法別に生態的に配慮可能な護岸に関しての分析例10)なども見られるしかしながら,護岸と河岸の緑化をコンクリートブロックを使用したものは見られない.こで,以上のような現場での状況や既往の研究を背景とし,本研究では,緑化ブロックの景観評価に影響を及ぼしうる要素として,植被率,景俳号ターン,草丈に着目したまず,植被率については,植物が護岸を被うことで穴が目立ちにくくなる効果を表す指標として用いた次に,景観〆ターンについては,その違いによって,穴あきの見え方が異なるため,植物が繁茂した時の効果や印象が違うのではなし、かと考え,着目した.最後に,草丈については,草の高さによって,どのように見た目の印象が異なり,穴の目立ちにくさに影響しているかを考え,着目した以上より,緑化ブロックの植被率,景勝司ターン,及ひ草丈といった特性が護岸周囲の景観との調和に及ぼす影響について,検討を行った. |