軟弱地盤対策の工費および工期の縮減策として,地盤改良の低改良率化は極めて有効な手段であり,低改良率セメントコラム工法(以下,「ALiCC工法」と呼ぶ)はその1つとして現場に適用される事例も増えている. ALiCC工法では,盛土内に発生するアーチ効果を考慮することでセメント系改良体と未改良地盤に作用する盛土荷重を合理的に評価し,塑性角θをパラメータとした簡便な設計法1)で従来工法よりも大きな間隔で改良体を設計配置することが可能となった.その結果,盛土直下の改良体を全面的に均等配置することにより,盛土の沈下量,不同沈下を抑制しつつも,コスト縮減や工期短縮も図ることができる.さらに,平面的な低改良率化のみならず,従来工法として採用されていた着底型のほかに,改良体を着底させない浮き型(フローティング型)により,改良体積を少なくすることも可能とした.また,軟弱地盤対策が施される地盤環境,盛土条件等は様々であることから,ALiCC工法の実施事例においても補助工法を併用するなどの様々な工夫が取り入れられている. 本報告では,ALiCC工法の概要を紹介するとともに,これまでの実施事例の中から特徴的な施工実績を報告し,他工法との比較を行うことにより本工法の有効性について報告するものである. |