鋼構造物塗装のライフサイクルコストを削減するためには、耐久性に優れた重防食塗装系を適用して塗替え間隔の長期化が有効であるが、従来から手清州荒れている一般塗装系(鉛系さび止め塗料/長油性フタル酸樹脂塗料中・上塗や、鉛系さび止め塗料/塩化ゴム系塗料中・上塗の塗装系)に比べて初期コストが高くなる問題があった。重防食塗装系を普及させるためには、それに係るコストを削減することが不可欠である。このため、独立行政法人土木研究所と塗料メーカー5社で鋼橋塗装のコスト削減方法に関する共同研究を実施した。塗料メーカーより提案のあった塗装コストを削減するために開発した新規塗料を用いた塗装系について塗膜性能試験、耐久性試験、および塗装方法の検討を行った。コスト削減のための塗装系の塗装方法およびこれらの塗装系塗膜の耐久性を把握するために、橋梁模擬試験体を用いてエアラップエアレス静電塗装法での施工性試験を行った。施工試験後、10年経過時点での調査では、塗膜の外観、光沢、付着性に異状は見られず、良好な結果であった。また、試験片を用いて行った海浜部(沖縄)および内陸部(つくば)での暴露試験7年の結果からも、コスト削減をめざし塗装回数を削減した新規塗料の性能は問題ないことが確認されている。 |